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共感覚が消えた…?音に色を感じる私が体験した不思議な変化

共感覚がなくなった話

共感覚は音に色を感じたり、文字や数字に色を感じたりといった通常の感覚以外の感覚を同時に感じる特性のことを指します。

生まれつき持っている特性であるため、自分が共感覚を持っていると自覚していない人も相当数いるとみなされています。

  

私は音に色を感じる共感覚を持っているのですが、ここ2年ほどで不思議な変化がありました。

というのも、共感覚が消えて(薄れて)きているのです。

  

調べてみると、共感覚の消滅を経験している方が他にもいるようでした。

そこで共感覚が完全になくなる前に記録として残しておきたいと思い、今回記事にすることにしました。

私が体験した共感覚の消滅についてお話していきますので、「共感覚が薄れてきているかも」とお悩みの方は参考までにご覧くださいませ。

もくじ

共感覚とは

共感覚はあるひとつの刺激に対して、通常の感覚と同時に異なる種類の感覚を感じる知覚現象のことです。

たとえば音に色を感じたり、文字や数字に色を感じたりといったものがあります。

メカニズムなどは明かされていませんが、共感覚の種類はなんと150種類以上にも及ぶのだとか。

  

共感覚を持つ人は幼少期から当たり前の感覚のひとつにすぎず、自分が特殊な感覚を持っていると自覚しないまま大人になる人も多いです。

かくいう私も、大人になるまで共感覚という言葉を知りませんでした。

  

私は音に色を感じる「色聴」を持っているのですが、物心ついたときから当たり前にある感覚を特別なものだと認識するのは不可能でした。

私の体験や見えている世界についてもお話しているので、ご興味のある方はぜひこちらも一読してみてくださいね。

共感覚はなくなるかもしれない

先の記事でも少し触れたのですが、私の共感覚が最近どうにもおかしいのです。

というのも、ここ2年ほどで共感覚が薄れてきているのです。

  

ここからは、私の共感覚と消滅しかけている現状についてお話していきます。

共感覚は確かにあった

私が共感覚を自覚したのは今から5年ほど前の2017年。

テレビドラマ『相棒season16』の第4話「ケンちゃん」で共感覚について取り上げられているのを見たのがキッカケです。

  

当時の私は20代前半。

自覚するのは随分遅い方だったと思います。

  

ですが、自覚するのが遅かっただけで共感覚自体は物心ついた頃にはすでに存在していました

私の共感覚の特徴
  • 声や環境音では色を感じない
  • 音楽を聴いたときに色を感じる
  • 感情によって見える色が変わることはない
  • 見える色が嫌いだと音楽も好きになれない

子供の頃から、音楽を聴くと目の前に色が広がっていました。

「この曲は黄色とオレンジでお花畑にいるような感覚だな」とか、「この曲はダークブルーで暗い感じだから夜聴くのが好きだな」とか。

  

私にとっては昔からこの感覚が当たり前だったので、共感覚を自覚したときはずいぶん衝撃を受けたものです。

「え!みんな色が見えてないって本当!?」と…。

見える色は必然的に曲の好き嫌いにも影響を与えました

綺麗な色の曲は好きになりやすく、苦手な色の曲はあまり好きになれませんでした。

  

同じ曲は間隔を空けて聴いても同じ色に見えるので、一度嫌いな色や苦手な配色を見てしまうともう一度聴く気にはなかなかなれなかったです。

私は昔から音楽の好き嫌いがはっきりしていたのですが、振り返ってみると共感覚による影響も大きかったのでしょうね。

  

今現在共感覚が薄れてきているとはいえ、曲を聴いた瞬間に目の前がぱーっと色づく感覚はハッキリ覚えていますし、「この曲はこの色だった」と覚えているものも多いです。

共感覚は、私の中に確かにありました。

共感覚が薄れた感覚

自分の共感覚の違和感に気づいたのは今から2年ほど前。

音楽を聴いても色がぼんやりしたり、色自体を感じないことが増えたのです。

私は昔から音楽が大好きで、暇さえあれば音楽を聴いているような人間でした。

それが3年ほど前から音楽を聴く機会が減ったので、当時は「音楽から離れたせいかな?」と思っていました。

  

ですが、音楽をたくさん聴いても感覚は戻りませんでした。

色が見えることには見えるし、見えていた色も覚えている…。

言葉では説明しにくいのですが、明瞭さがないのです。

  

以前は曲を聴いた瞬間に目の前がぱーっと色づいて見えました。

目を開けていても、閉じていても、何をしていても色が見えました。

  

それがぼやけて見えるというか、感じにくくなったというか。

色が見えているのか、見えていた色を思い出しているだけなのか、なんとも曖昧な感覚になりました。

違和感を覚えてから2年経ちますが、共感覚は確実になくなってきています

  

今は明瞭に色が見えることはほぼ皆無で、ぼんやり感じるか、何も感じないことがほとんどです。

共感覚は生まれたときには全員が持っていて、成長の過程で消滅するものという説もあるそうです。

  

だとすると、私の共感覚が消えたのも説明がつく気がします。

ちなみに、私の共感覚が消えてきたのは20代半ばの頃。

成人するまで共感覚が残っていたとしても、その後消えることもあるのですね…。

共感覚の消滅は幸か不幸か?

昔はハッキリと感じていた共感覚。

それがなくなってきて2年経ちますが、いまだに慣れませんし、違和感があります。

  

周りの人と同じ感覚になっただけといえばその通りなのですが、子供の頃からあった感覚の消滅はやはり喪失感があります

私は共感覚のおかげで音楽をより深く好きになれました。

初めて聴く曲をどんな色だろうとワクワクしていた感覚、色を頼りに曲を思い出す感覚、それらを今後もう味わえないと思うと、寂しささえ感じます。

  

もちろん、ときにはうっとおしいと感じることもありました。

ですが私にとって共感覚は当たり前にあるもので、音楽の素晴らしさを教えてくれた存在でもあります。

  

正直、消えずに済むなら消えないでほしいというのが本音です。

私にとって、共感覚の消滅は不幸ですね。

  

共感覚の中には、数字や色に文字を感じる人や時間単位に色を感じる人もいます。

そういった方は色聴以上に日常生活との関わりが大きく、共感覚を頼りに記憶を呼び起こしている部分も多いと思います。

それが突然消えるとなると、慣れるまで大変かもしれませんね…。

おわりに

音に色を感じる「色聴」の私が体験した、共感覚が消える感覚についてのお話でした。

  • 共感覚は消滅する可能性がある
  • ある日突然消えたのではなく、少しずつ感覚が薄れてきた
  • 見えていた色は記憶として覚えている

共感覚のメカニズムはいまだ明かされていませんが、私のように消滅することもあるようです。

共感覚は記憶を呼び起こしたり、芸術などを深く味わう手助けにもなってくれます。

  

ですが、頼りにしすぎると消滅した後のギャップに苦労するかもしれません。

共感覚をお持ちのみなさん、ぜひ今の感覚を大切にして過ごしてくださいね。

  

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

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