伝え方に注意!「我儘な人」にならないHSPのカミングアウトの仕方
感受性が高く敏感な気質のHSP。
HSPの人はささいな刺激にも過剰に反応したり、周りの人の気分に左右されたりしやすいという特徴があります。
「キツい言い方をされるとひどく落ち込む」
「自分ができないことを甘えだと言われてしまう」
そんな経験をしてきた方も多いのではないでしょうか。
そんな状況をなんとか打破するべく、自身がHSPであることをカミングアウトしようと考えている方にお伝えしたいことがあります。
というのも、間違ったカミングアウトの仕方をしてしまうと「わがままな人」という印象を植え付け、かえって立場が悪くなってしまう可能性があるのです。
本記事では、自身もHSPである私が周りの人の理解を得られやすいHSPのカミングアウトの仕方をご紹介していきます。
後半では理解されない場合の対処法もあわせてご紹介しているので、HSPのカミングアウトについてお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
HSPについて
HSP(Highly Sensitive Person)は感受性が高く敏感な気質のことで、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱しました。
HSPは五感が敏感でさまざまな刺激を受けやすかったり、他人の気分に振り回されやすかったりします。
近年は関連書籍が多数販売され、「繊細さん」や「敏感すぎる人」とも呼ばれるようになりました。
ですがまだまだ世間の認知度は低く、自身がHSPであることをカミングアウトしても中々理解を得られない場合も多いです。
\ 30日間無料で聴ける! /
HSPをカミングアウトするときの伝え方
HSPはあくまでも気質のひとつであり病気ではないため、「甘えじゃないの?」「気の持ちようでは?」とあまり快く思っていない方も多いです。
言い方次第では、さらに反感を買う事態になりかねません。
ここからは理解を得られやすく、なるべく穏便に困りごとを解決できるカミングアウト方法をご紹介していきます。
「HSP」を理解してもらおうとしない
HSPを理解してもらいたい一心でカミングアウトすると、「私はHSPだから配慮してほしい」という言い方になりがちです。
ですが、これではHSPであることを言い訳に使っているのも同様。
理解を得ることは難しいです。
このような言い方では言われた方も「具体的になにをしたらいいの?」と反応に困ってしまいます。
それでは、せっかく勇気を出してカミングアウトしても意味がありません。
逆の立場で、「私は大雑把なので細かいことは気にしないけどよろしく」と言われたら困ってしまいますよね。
それと同じです。
カミングアウトするときは、自分が困っていることを具体的に伝えることが重要です。
困りごとを具体的にお願いしよう
HSPを周囲に理解をしてもらいたいときは、自分が困っていること、そしてどうしてほしいのかを具体的に伝えましょう。
「笑い声がうるさく感じるから、テレビの音量をもう少し下げてくれないかな?」
「大きな音に驚きやすいから、扉をもう少し静かに閉めてもらえない?」
「集中したいから、勉強中はなるべく話しかけないでほしい」
「愚痴話は疲れちゃうから、楽しい話しようよ」
「歩き疲れちゃったから、静かなところでお茶でもしながら休憩したいな」
繊細さんに必要なのは、自分が過ごしやすくなるために周囲に協力してもらうこと。
わざわざ「HSP」という言葉を出す必要はないのです。
困りごとを伝えるときは、困っていることだけでなく具体的な対処法もあわせて伝えましょう。
「○○してくれたら嬉しいな」「○○の方がいいと思う」という言い方だと、角が立ちにくいですよ。
HSPであることを理解してもらいたい場合
それでも、家族や恋人など近い存在の人にはHSPについて理解してもらいたいという場合もあるでしょう。
そんなときは、困りごとを具体的に話した上で、下記の内容を伝えましょう。
- 基本的には今まで通りに接してほしい
- 自分でうまく付き合っていくつもりだが、お願いしたときは協力してほしい
HSPを盾に使うのではなく、あくまでも「困ったときは助けてね」というスタンスで伝えると理解を得られやすいですよ。
カミングアウトしたのに理解されないときの対処法
おわりに、HSPをカミングアウトしたのに理解されなかった場合の対処法を下記のシーン別に解説していきます。
- 家族
- 友人
- 恋人
- 職場
HSPの人が大雑把な人や無神経な人を理解できないように、どうしても繊細な気質を理解できない人はいます。
HSPを理解されなかった場合は相手を責めるのではなく、「そういう人なのね」と折り合いをつけ、少しでも過ごしやすい環境を作れるように工夫してみましょう。
家族に理解されない場合
家族とは人生の長い時間を共に過ごします。
そんな家族に理解されないのは、とても悲しいものです。
ですが、どんなに近い存在であっても他人である以上、自分のすべてを理解してもらうことはできません。
そのときはショックを受けますが、「仕方ない」と割り切りましょう。
協力をお願いしたことも受け入れてもらえないのなら、距離を置くことも選択肢のひとつです。
一人暮らしをするのもいいですが、毎日決まった時間は自室にこもると決めるだけでも違いますよ。
友人に理解されない場合
長く付き合っていきたいと思っていた友人に理解してもらえないのはとても悲しいです。
HSPをカミングアウトするくらいですから、その友人とはかなり親しい間柄なのでしょう。
ですが、どうしてほしいのか具体的に伝えているにも関わらず「気にしすぎじゃないの?」などと心ない言葉をかけてくるのなら、その友人とは距離を置いた方がいいです。
もし本当にあなたのことが好きで理解したいと思うのなら、わからないなりに理解しようと努力をしてくれるでしょう。
距離を置くといっても、絶縁する必要はありません。
遊ぶ頻度を減らしたり、こちらから連絡するのを控えたりするだけでもいいのです。
それでもストレスが減らない場合は、思い切って離れるのも手です。
気心の知れた友人と離れるのは辛いですが、別れの後には新しい出会いがあるものですよ。
恋人に理解されない場合
恋人にカミングアウトして理解されないと、大切にされていないと感じたり、このまま交際を続けていいのか悩んでしまったりしますよね。
恋人に理解されなかった場合は、今後についてしっかり考えて向き合う必要があります。
というのも、恋人に理解する気がないのなら、合わないところは今後ずっとあなたが我慢し続けるしかないからです。
交際期間が短い間はまだいいですが、付き合いが長くなり同棲、結婚、子育てとなるとHSPを全く理解されないことは相当なストレスになるはずです。
「今が楽しければいい」というなら話は別ですが、相手と長く付き合っていきたいと思ったからこそHSPをカミングアウトをしたのでしょう。
寄り添う気持ちがない相手と一緒に生活するのはかなり難しいです。
恋人に理解されない場合は、別れも視野に入れてじっくり考えてみましょう。
職場に理解されない場合
必要に迫られて職場の人にHSPをカミングアウトした人もいるかもしれません。
それにも関わらず理解を得られない場合は、職場環境の改善はかなり難しいでしょう。
想像するに、HSPをカミングアウトしないとやっていけないほど悪い環境なのではありませんか?
そんな環境でも理解を得られないのであれば、転職を検討した方がいいでしょう。
HSPには向いている仕事・向いていない仕事があります。
体調を崩す前に距離をとることも大切ですよ。
おわりに
周囲に理解を得られやすいHSPのカミングアウト方法のご紹介でした。
- 「HSP」という言葉を出す必要はない
- 困っていることとどうしてほしいのかを具体的に伝える
- 理解されない場合は環境を変えよう
認知度は上がってきているとはいえ、いまだに知らない人も多いHSP。
「理解してほしい!」という気持ちよりも、「どうやったら自分が快適に過ごせるか」に重きを置いてみましょう。
繊細な心とうまく付き合っていくためには、自分を知り自分を大切にすることがなによりも重要です。
自分軸で生きるために、自分は何が嫌なのか理解を深めることで周囲の助けを借りやすくなるはずですよ。
HSPは共感力が高かったり芸術作品を深く味わえたり、いいことも多いです。
うまく付き合えるようになれば、繊細な自分が好きになれるかもしれません。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!
\ 非HSPの人にもわかりやすい! /